社員意識調査

1.Satisfactionを誤解していないか

先日、読んだ本

この本は、満足度と幸福度をテーマにしている書籍で、会社とは何かを考えさせてくれる書籍だ。

その中で、「顧客満足度」に関して以下の記述がある。

満足かそうでないかはどのような基準で判断できるかというと、”事前期待”を超えられるか否かになります

これについては、確かにそうなのだが、私の考えと少し異なるので少し文章を作成した。

■ Satisfactionの訳

社員満足を、Employee Satisfaction
顧客満足を、Customer Satisfaction

と、Satisfactionを満足と訳す。

社員満足と日本語で考えているうちは良かったのだがそうもいかない。
ISOの審査員になった時に、先輩に注意された。
「英訳なので原文をきちんと見るように」と。

Satisfactionの意味を英英辞典で見るといくつかの例が出ているが、以下が端的かなと思う。

”act of fulfilling a desire or need or appetite”

直訳すれば、「欲望、必要、食欲を満たすための行動」となる。

少し曖昧なので、先輩に尋ねたところ
「要は、約束したモノが出てくることだよ」
「満足度100%というのは約束が守られたことで、それ以上を求めているわけではない」
と説明された。

あくまでも、最低限の約束を満たしているのかを確認する作業がES、CSの本来の趣旨だろう。

なんとなく「期待以上のモノ」が提供されないと「満足度が上がらない」と考えているのはおかしなことだとわかる。ES、CSは無制限の奉仕を求めていると勘違いしやすい。

では、期待以上のモノは何かを調査することは意味が無いかといえばそんなことはない。ただし、ES調査、CS調査をする際に、それは「約束したモノ」なのか「期待されているモノ」なのかを区別する必要がある。

■ 約束したモノ

社員に対しては、「働く環境」や「報い方」などが対象となるだろう。
人事制度(教育、配置ローテーション、昇級・昇格、賃金、福利厚生)全般が関わる。
また、法令遵守や上司部下との良好な関係、組織との価値観の共有なども相互に約束したモノだろう。暗黙の部分があるものの対象となる。

ビジネスパートナーとの間でも同じとがいえる。
QCDが担保されているのかが重要な視点になるが、それ以外にも下記の視点が必要だろう。
・継続して製品サービスを提供できるか
・当社の経営理念などに賛同しているか
これをおろそかにしていると、突然のトラブルに見舞われる恐れがある。
ビジネスパートナーの満足度を調査している会社はほとんど無いが、本来はするべきだろう。お互いが何を期待しているかを判断する必要がある。

B2Bではどうだろう。
・QCD特に納期が守られているか
・不良品を納品していないか
・クレーム対応は適切に行われているか
・担当者とは密に連絡を取っているか
・新しい提案を顧客にしているか
等が考えられる。

B2Cでは、すこしやっかいかもしれない。
確実に見れるモノは直接的な評価は売り上げになる。

買ってくれなくなった顧客は何も話をしてくれない。
来なくなった顧客が事前に理由を言ってもらえるとは思えない。
よくレストランやホテルなどにアンケートが設置されているが役に立っているのだろうか。

それでも、提供を約束しているモノ(接客の態度や時間、ホテルならばリネン)について訊ねるのは悪いことではない。

■ 期待されているモノ

期待されるモノは少し抽象的になる。
情緒的に聞く方がかえって良いだろう。

「今やっている仕事は、あなたにとって価値があるか」
「この仕事を長くやっていたいか」
「自分の意見を上司は聞いてくれるか」
「仕事上のストレスはないか」

など、モチベーションを左右する事柄を中心に聞くと良いかもしれない。
期待は、「感情的」なものであり、そのときに回答する立場の人が置かれてる状況に左右される。

質問項目にすることは反対しないが、下記のように「ではどうするのか」につながらない恐れがある。

■ Satisfactionの向こう側

ES調査にしても、CS調査にしても興味本位の質問をするべきではない。
興味本位というのは、「単に知りたい」という欲求を満たす質問である。
それはどんな質問か?
こう聞いてみれば良い。

「この質問に対して意図した結果でない場合には施策をうつのか」

満足度を聞いて、その後にどうするのかも考えておく必要がある。
状態を知りたいだけで、人事施策やその他の行動計画に何ら影響を及ぼさないのであれば聞くべきでない。
回答した人間にとっては、回答したことでなんとかしてくれるという期待が起きるからだ。
何もしてくれないとしたら、調査自体への信頼性がなくなる。

さて、「満足か?」を聞いてどうするか?
その先を考えない、ES調査、CS調査はすべきではない。

2018年7月1日

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