自己組織化と進化の理論(20180717)

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1999年に初版本が発売されたこの本は、当時「複雑系」の第一人者であるカウフマンが著者となっている。

もともと複雑系は、自然の中の様々な動きや生命の神秘に迫ることを主眼とした研究分野だと理解している。
しかし、その取り扱っている分野は、企業・組織の行動原理に共通するものであり、より優れた組織内での人々の動きの研究にも応用できると参考図書として読んだことがある。

もっとも、その時には斜め読みだったのでほとんど記憶にない。
改めて読むと、なるほどと感じることがある。

第1章 無償の秩序

「生物学における非常に大きな謎は、生命が生まれてきたことであり、我々が目にする秩序が生じてきたことである。」で始まるこの説には、創発を「全体は部分の総和以上のものである」という言葉で表現している。

一般的に部分最適・全体最適という言葉が対応するが、事はそう単純ではない。
個々の活動は、その能力を100%出すわけではない。
様々な制約条件(例えば時間)があり、最適な選択や代替案の検討などもできないことがある。
これが、複数の人と話すと、多くの知見や考えるためのきっかけをつかむことができる。
個々の成果を寄せ集めて作る「総和」と、コミュニケーションとフィードバックの結果の「全体」ではアウトプットが異なる。

生命の誕生も「混沌」の中から生まれたというストーリーも、複雑な相互作用の結果としてみると組織も同じかもしれない。

大企業病というのは、結局は「部分の総和」が「全体最適」という考え方の行き着く先だというのであれば、これを防ぐための処方は昔から言われているように、組織内の活発な知の交流でしかない。

(20180717)

 

 

 

 

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