社員満足度調査での自由回答を眺めるだけにしていませんか

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○ 放置される自由回答

社員満足度調査を行う企業が多くなってきている。
背景には、社員満足度調査に関する情報がネット上でも普及しており、安価なサービスが出回っていることも背景にある。
また、集計ソフトなども整備されており、Excelを活用すれば一定の調査結果を作成することが可能になっている。
一方でそうした事例を数多く見ていると、自由回答の結果を有効活用している事例が少ない。
それは自由回答の持つ特性には、
・局所的である
・事実確認ができない曖昧さがある
・感情的なものになりがち
ということもあり、取り扱いには苦慮しているようだ。
一般的には、一覧にして眺めているようだが、どうしても分析が情緒的・直感的なものになってしまい、思慮の欠けた施策展開になりやすい。
一覧を眺めているだけでは、分析に発展することはできない。
一定の統計的分析が必要になる。

○ 統計的に分析する手順

統計と言っても、いわゆる多変量解析を中心とした専門の統計分析にまで手を出す必要は無い。簡単な頻度分析で十分だ。
その手順は以下の通りになる。
(1)出現する単語(キーワード)の集計
仮説として、下記を前提にする。
・自由回答には社員の本音が含まれている
・焦点となる単語は繰り返し出現する
従って、最初にすべきことは「どんな単語がどの程度出てくるのか」を調べること。
いわゆる「形態素解析」で行うことになる。

(2)セグメント分類
次に、その単語は、社員満足度を左右する事柄のセグメントとどのように対応しているのかの仮説を立てること。
セグメントは、社員満足度調査の調査項目と対比することが望ましい。
例えば、下記が考えられる。
・機能面(福利厚生、採用、教育、再配置、報酬)
・運用面(コミュニケーション、セクハラ・パワハラ、女性活用、上下関係)
・感情面(漠然とした不安、会社へのロイヤリティ、過重労働)

(3)自由回答の精査
組織全体の大まかな枠組みが決まったら、実際の自由回答を精査してセグメントごとに分類を行うと同時に代表的な意見をピックアップする。

(4)施策への展開
最終的には、こうした自由回答が出てくる背景が、個人ごとの問題なのか、部門や特定の職務に固有の特性によるものなのか、組織全体の仕組みの問題なのかを判断する。
こうした判断は、属性ごとの集計などを行うことで明らかになって行くケースも多い。

○ 分析すべき自由回答の量

さて、こうした自由回答の分析は、いつも有効とは限らない。
配慮すべき事項は、回答率と回答数になる。

(1)回答率回答率の注意すること。
20%以下であれば、自由回答を元に政策決定は控えた方が良い
局所的な問題になる恐れがある。
特にセクハラ、パワハラは特定の個人に帰着する恐れがある

一般的には、30%前後になる。
30%以上であれば一般化しやすく統計分析の価値がある。
40%を超えて回答されている場合には、会社はなんとかしてくれるという期待
の表れであることが想定される。聴きっぱなしにしないことが大切になる。

(2)回答数
回答率に関わりなく、300以上の回答があれば、何らかの統計処理が望ましい。
自由回答が300を超えると、目視だけでは傾向分析ができないことが多い。
最終的には、一文一文を精査する必要があるが、まずはどのような単語が多く出てくるのかを統計的に集約しておく必要がある。

○ 自由回答を社員満足度調査に含める場合の注意点

個人的な問題にならないように質問文を工夫することが求められる。
回答を得た後で施策に展開できないような質問はしないこと。
「困りごとはないですか」などと言った聞き方は、漠然としている上に、個人の相談になりかねない。
焦点を絞ること。抽象的でも下記の程度で抑えること
・会社の制度で変えてほしいこと、維持してほしいこと
・会社の○○戦略(例えば、グローバル戦略)についてご意見をください
ただし、「会社を働きやすい環境にするためのご意見をください」といった、何に活用するのかを明確にした設問も良い。
なお、無記名と言っても、属性データ等で個人を特定できてしまうという不安は残るので、「個人を特定してアクセスしない」旨は明記しておく必要がある。

○ 支援サービス

こうした統計分析を行うためには、一定の情報処理技術が必要になる。
特に形態素解析は、オープン系のソフトとしてMecabがあるとしても、なれないとどう使って良いかわからない。
当社ではすでに自由回答の分析と報告には実績があるので、上記の

・単語の抽出と傾向分析
・テーマなどの対応の設定
・個別回答の読み込みと分類
・集計と傾向分析
・施策策定への助言

を支援することができます。
具体的な内容については、お問い合わせください。

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