世間に転がる意味不明:2024年春闘と不安要素(賃金上昇の虚妄)


■日銀政策決定会合と消費者物価指数(CPI)

3月18日に日銀政策決定会合が行なわれる。今日は3月15日であるが話題は春闘の賃上げであろう。

○賃上げ平均5.28%、33年ぶり高水準 連合1次集計 賃上げ2024
2024年3月15日

連合は15日、2024年春季労使交渉の第1回回答の集計結果を公表した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ率は平均5.28%で、前年の同時点(3.80%)から1.48ポイント上昇した。過去の最終集計と比較すると5.66%だった1991年以来33年ぶりに5%を超えた。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA138N50T10C24A3000000/

このことが来週の日銀政策決定会合での「マイナス金利」の解消につながるかが興味深い。

日銀が当初掲げていた「物価上昇2%」はほぼほぼ達成できていたが日銀の植田総裁は慎重な対応を崩すのをためらっている。これを変える要素の一つが賃金である。

そもそも消費者物価指数2%は何を表すのかと云えば、企業が成長を持続的に行なう為には製品価格が上昇し企業の収入が増えることで設備投資などを行うと云った循環が必要だからである。

消費者物価指数の向上の為には市場にお金を流し金利を下げることで企業が積極的に設備投資や賃金に反映させてくれれば自然になるというシナリオのようであり、逆に過度なインフレは好ましくはないのは当然で、アメリカなどは5%から6%の状態では金利を上げてお金の動きを止める政策になる。

ただし、こうした判断は過去の経験からのものである。一般的には「賃金の上昇」がCPIに追いついていないと云うことは無いことからCPIが2%越えという現状は正しい姿ではないというのが、おそらく日銀の判断であろう。

しかし過去の経験が今でも当てはまるかと云えば怪しい。
今回の賃金上昇は健全な企業活動の結果としてのものではない。人手不足と言うことに対するパニック的な行動であり、どこかで何かが破綻する予感がしてならない。

■怪しい景気感

CPIだけに着目すれば中国なども2%越えを標榜している。しかし、下記のニュースなどを見ると本当だろうかと疑ってしまう。

○中国不動産開発の碧桂園、初めて元建て債利払いせず-関係者
2024年3月13日

中国の不動産開発大手、碧桂園が人民元建て社債の利払いを初めて怠った。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。香港では清算の申し立てにも直面しており、苦境が深まっている。中国の不動産開発大手、碧桂園が人民元建て社債の利払いを初めて怠った。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。香港では清算の申し立てにも直面しており、苦境が深まっている。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-13/SA9KOZT1UM0W00

不動産売買が行なわなくなればお金の動きが止る。
景気が悪いと感じるのは下記の様に皆がお金を使わない/使えない状況になっているのではないかと懸念するからだ。

○中国「激安朝食」が映す中間層の不安 全人代で払拭できるか
2024年3月2日
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20240229/pol/00m/010/005000c

一方アメリカなどは景気が良いと言うことだが下記は読み方では景気の良し悪しにまだら模様ではないかと危惧が走る。

○米1ドルショップ 1,000店舗閉鎖へ
2024/03/14

いわゆる1ドルショップを展開するダラー・ツリーは13日、今後数年間でおよそ1,000店舗を閉鎖する計画を明らかにしました。売り上げが低迷している店舗の閉鎖により、収益力の改善を目指すとみられます。また、ダラー・ツリーの2023年11月から2024年1月期の決算は減損費用などがかさみ、最終赤字に転落しました。一連の発表を受けて、ダラー・ツリーの株価は14.2%下落しました。

https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/txn/news_txn/post_292642

こうしたことの背景には
・1ドルでももう買わなくなった
・1ドルの商品では満足できなくなった
などもあるが世界的なコスト増で1ドルでは製造できなくなったなどいろいろな見方ができる。

日本の100円ショップの下記のニュースなども参考になるだろう。

○“100円均一“もう限界!?実は大ピンチのワケ
2022年4月13日(水)

コロナ禍でも成長を続ける100円均一ショップ。しかし今、そのビジネスモデルが存亡の危機に立たされています。物価や人件費の高騰で、いくら売っても100円では利益が出なくなっているのです。一方、消費者の「100円で買いたい」というこだわりは根強い。

https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4652/

しかし、重要なのは、仮に貧富の差が大きくなり購買力が2分化しているとしたらマクロ的な政策だけでは景気浮揚は難しいかもしれない。日銀が政策を変えても、それは大企業の懐具合を調整するだけで多くの国民の景気感に関係なければ我々の生活が変わるわけではない。

■所感

アベノミクスの開始時に景気を良くすると云っていたが、それは誰にとっての話なのか。
どうしても我々は入っていないいない気がする。

日銀政策決定会合も机上の空論の果ての活動にならなければ良いが。

(2024/03/15)