先日、下記の記事を見た、
「誰も来ない日も」町営の温泉施設10カ所、赤字で苦境
https://www.asahi.com/articles/ASLDD4R8KLDDUJUB00M.html
温泉郷で知られる岩手県西和賀町で、町営の温泉施設が苦境にあえいでいる。町内10カ所の施設は赤字続きで、ここ5年間の町予算からの持ち出しは総額6億6千万円に上る。利用者の減少に老朽化が追い打ちをかけている格好で、町は施設の一部の売却も含めて運用方法の検討を始めている。
で始まる記事は、その状況を
JRほっとゆだ駅構内の温泉、錦秋湖近くの洞窟風呂など内容も多彩で、当時は観光の目玉になっていた。
だが、近年は赤字が続く。町営10施設を合わせた13~17年の運営費は年間平均2億1430万円。入湯客からの使用料収入は平均約8300万円に対し、維持費や指定管理・委託料などの町の持ち出しは毎年平均1億3130万円になっている。
町観光商工課によると、00年ごろまでは公営の温泉を中心に50万人近くが日帰りで訪れていたが、県内外で温泉施設が出来た影響で来訪客が減り、最近5年間の年間平均利用者は28万9千人に落ち込んだ。
と伝える。
これが民間企業であれば、とっくに撤退する。
むしろ参入時に事業計画を作成し、うまくゆかなければ修正を繰り返すだろう。
そうした意味では、事業の修正が必要な事業を行政が行うことには無理があるかもしれない。
今国会では、様々な法律がこっそり成立している。
漁業法(http://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/kaikaku/suisankaikaku.html)
水道法(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/196.html)
PFI法(https://www8.cao.go.jp/pfi/hourei/kaisei/h30_pfihoukaisei.html)
法律には本来の主旨、建前上の目的などもあるが、運用上でいろいろな副作用を生じさせる。良くない副作用は、省令などで調整して行くだろうが、当面は上記の法律は、「もともと行政が行っていた事業を行政がやっていると赤字の垂れ流しになるので民間にお願いしてまともな事業にしてもらう」ということが背景にあると考えている。
社会的責任のない企業が参入してきたらどうするのかという懸念はあるだろうが、民間企業のとっては、新しい市場への参入するチャンスになり得るだろうし、行政の下請け化してこなかった企業にとっては既得権益の逸失につながる。
PFIの類型としては、その参入の仕方で以下の方式があるらしい。
①BOT
民間事業者が施設を建設(Build)して、施設の維持管理と事業運営(Operate)を行い、事業期間満了時に施設所有権を管理者に譲渡(Transfer)する事業方式。BOOTも同じ。
②BTO
民間事業者が施設を建設(Build)して、直ちにその施設所有権を管理者に譲渡 (Transfer)してから民間事業者が施設の維持管理と事業運営(Operate)を行う事業方式。
③BOO
民間事業者が施設を建設(Build)して、施設の維持管理と事業運営(Operate)を行い、事業期間満了後も民間事業者が引続き施設所有権を保有(Own)する事業方式。
④BLOT
民間事業者が施設を建設(Build)し、公共機関にその施設をリース(Lease)して対価としてのリース料を受取ると共に施設の維持管理と事業運営(Operate)を行う事業方式で、事業期間満了後に施設所有権を管理者に譲渡(Transfer)する。
⑤DBFO
Design-Build-Finance-Operate:設計・建設・資金調達・運営を一貫して実施する事業方式。
⑥RFOT
Rehabilitate-Finance-Operate-Transfer:既存施設について改修(更新)・資金調達・運営を担う事業方式で、既存公共施設を活かしながら民間の資金および能力を使って施設の設置基準に合わせて改善する改修、旧式化した設備を効率的な最新型に更新する改修、変化する公共ニーズに合わせた施設仕様の変更と運営の変更等を目的に実施するもの
さて、今後の政府の方針としてはこうした事業類型に対応して資金的な援助を行うことも期待される。行政に対してパイプを持っている企業は考えてみてはどうか。
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