給与体系を維持できなくなるのではないか

東洋経済の記事で下記が掲載されている・

「給料が高くて新卒が辞めない会社」TOP200
年収800万円以上で定着率が高いのはここだ

https://toyokeizai.net/articles/-/256368

いろいろな記事を見ると売り手市場であること、人手不足であること、人材の調達がグローバル化していることなどから、新たな人材の調達コストが上がってきていることはうかがえる。

特殊な事例ではあるだろうが、初任給を40万円にしなければ集まらないという記事を見たことがある。

上記の記事でも、給与の高い会社は離職率が低いというような傾向を指摘しているが、会社全体で給与高騰の余裕を維持できる会社は良いがそうでない会社はやっかいだ。

埋没コストとは言わないが、既存社員の(時に高齢者の)給与を配慮しないとゆがみが出てきてしまう。

例えば、初任給20万円で入社して、30歳になっても20数万にしかならない社員が、40万円をもらう新入社員を見たらどう思うか。

従来の(建前は違っても実質的な)年功型給与体系は無理だろう。
安易に初任給を上げると言うことはできない。

一方で、新卒採用に負けてしまうことを防ぐためには給与というのは重要な要素になる。

知人たちとの話の中で出てきたアイデアの一つに、キャリアステージ制がある。
下記のようなものだ。

(1)インターンステージ
会社側からの支援を受け能力開発を行いながら組織貢献を行う段階
いわゆる、従来の新卒社員から30前後前の期間が該当する。
(2)プロフェッショナルステージ
社員一人ひとりが能力を保有し、会社の指示命令系統には従うものの自己判断により高い組織貢献ができる。
いわゆる、主任クラス、課長クラス、プロジェクトマネージャーなどが該当する。
(3)マネジメントステージ
長期的視点、全社視点に立ち、会社の指揮命令系統を自分の意思でコントロールする段階。既存/新規事業の成果責任を負いながら経営資源の有効活用を行う。
部長クラス以上に該当する
(4)アドバイザリーステージ
十分な知識経験を保有し、バックヤードから支援するステージ。
従来の、役職定年、嘱託移行ではモチベーションが維持できないと言われており、それに変わる位置づけとして提案している。
ご隠居のようなものではなく、組織貢献をしてもらうことが重要。

さて、新卒採用者は自らの能力を振り返りどこのステージから始めるのかを選ぶ必要がある。インターンとしてしか自信が無いというのであれば従来の枠組みで始めるべきだろう。会社にお世話をお願いしておきながら高い給料は無理だ。

こうした報酬制度を確立するためにはいろいろな対応が必要になる。

・各ステージはメリハリのある給与格差を設けること
・個人ごとのキャリア管理・給与管理を行うこと
・評価処遇は人間ではなくAIで行うこと

移行に伴って、旧来の社員をどうするのかも重要だろう。

いつかこうなるということがわかっているなら今から準備を始めた方が良い。

ところで、マクロ的に見ると3年内離職率はあまり変わっていないのだと実感。
10人採用したら3人辞めるという覚悟は必要なのだろう。

閑話休題

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