戦略人事・戦略:戦略のポジショニング


■戦略という言葉に振り回される人々

記憶で申し訳ないが、経営者の悩みとして「人事部門が戦略的に動いてくれない」が上位に来ており、人事政策が戦略的に行なうことを喫緊の課題としてあげられている記事を見た。しかし、戦略と何だろう。

経営者や経営コンサルタントは盛んに「戦略」を口に出す。しかし、その戦略は具体的に何を指すのだろう。
何かしらの経営の意思決定が書いてあれば「戦略」なのだろうか。あるいは「戦略」を言って、課題が書いてあればそれが戦略なのであろうか。
それらを否定しているのではない。何が戦略であるのかを定義しておかなければ利害関係者の間で共有されることはない。共有されない戦略は「誤解」を生みかねない。
これを防ぐためには「戦略」の表現方法を統一しておく必要がある。
そしてその表現で表される「戦略」は課題と対となっており、MECEであることが必須である。

これを満たしていなければ「戦略」ではない。

■戦略の位置づけ

戦略は単独で存在するわけではない。必ず上位概念と具体的な行動に移すこと(戦術)との間に存在する。上位概念は、企業理念と経営理念であり、特に経営理念とセットになっていなければならない。

こうした疑念上の枠組みを混同すると「戦略」と「経営理念」あるいは「経営計画」が混同した議論になってしまう。これは「手段の目的化」を起こしかねない。なぜならば「なぜ」という議論よりも「何を」という議論の方が具体性があり、行動に移しやすいからである。その結果、人事部門は「運用部門」になってしまう。

こうした現状で「人事部門が戦略的に動いていない」というのは言いがかりになってします。

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