《AIに関する誤解 20100201 AIとは何かを定義しないで議論をしないこと》

AIというと、まるで人間のように会話をしてくれるような存在をイメージするかもしれない。「火の鳥・未来編」に出てくるコンピュータのようなものかもしれない。

しかし、これは「AI」が何をできるのかに着目してしまって、何を解決させて行くのかの議論が抜け落ちてしまっている。

曖昧な定義でAIを語るから、まともな議論ができないことになる。

適当なものはないかと探していたのだが、さすがにNTTだと感心するサイトがあった。

https://www.nttdata.com/jp/ja/services/ai/001/

大きく以下に分けられている。

(1)ルールベースのAI
これは、おそらく今から40年前に主流だったもので「エキスパートシステム」と呼ばれるものだろう。「もし~なら・・・」を構造化したもので、例えば医者の問診などに使うイメージになるだろう。
(2)統計をベースにしたAI
機械学習と呼ばれる分野で有り、統計的な手法としてはベイズ統計が有名だ。現在の画像認識、音声認識、あるいは自然言語処理などが有名で、翻訳などに使われている。
(3)脳の動きを模したAI
いわゆるニューラルネットなどの研究を応用したもので、ディープラーニングなどがキーワードとなる。

さて、テレビなどは、この「脳の動きを模したAI」を取り上げた方がセンセーショナルなので取り上げているが、現実的に利用しやすいのは、(2)の機械学習の分野だ。

機械学習の特徴を、誤解を承知で云えば
(1)解の探索の仕方が複雑で、試行錯誤が伴うようなものですぐに正解が見つからない問題への対応
(2)同じ動作を繰り返すが、そのたびごとに状況が異なるので判断が必要な反復作業をさせるための技術
と言ったことをがあげられる。

従って、一定の誤差があっても人間がやるよりも確からしさが高い作業をAIにやらせることで業務の効率化が図れる担保が求められる。

さらに、上記のサイトにある記載の下記にも留意する必要がある。

「サンプルとなるデータ・特徴量を人間が与え、ルールや知識を自ら学習し、新たなインプットについて自動的に判断してアウトプットする」

こうしたAIに関する定義をしておかずに、単にAIを語ると、現実世界と関係のない議論になる。

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