わかり合えるという幻想(価値観の合意からはじめよ)


コインの裏表のように全ての意思決定、施策にはトレードオフがある。
スポーツでも同様であり、勝者がいれば敗者がいる。勝者の幸福は敗者の不幸を生み出す。
したがって、その意思決定・活動・施策は、共通の価値観の基に行なわなければならない。

なぜならば、お互いの価値観の共有がなければ「わかり合える」と云うことは不可能であり、紛争が解決されることはない。

○イタリア、欧州初となる「培養肉」生産・販売禁止へ
2023/12/30

先月、イタリア代議院は培養肉をふくむ細胞性食品および飼料の生産や販売を禁止する法案を可決。EUにおいて、培養肉の生産、流通、輸入を禁止する最初の国となった。

「健康の観点だけでなく、イタリアの生産システム、何千もの雇用、文化と伝統を守るため、今日承認された法律により、イタリアは合成食品の社会的、経済的リスクから守られる世界初の国となる」

伊動物保護団体「OIPA」は、動物福祉や持続可能性の側面から培養肉は「倫理的な代替品」だと強調。

https://tabi-labo.com/308585/wt-italy-bans-cultivated-meat

人間は「生命」を搾取すると云うことに対して、背とするか否とするかの議論を俎上に載せて議論をしなければ、議論は平行線になりお互いの理解はあり得ない。わかり合えwるということは幻想になる。

地球温暖化も同じである。気象災害と国毎のお金儲けのトレードオフを俎上に載せる気が無ければ解決されない。ウクライナへのロシアの暴力、イスラエルのへマスへの殲滅行為などに対し、国連が機能しないのは、「話し合えばわかり合える」と云うことの幻想がある。重要なのは「辞めろと説得すること」ではない、「なぜそんなことをするのかを話し合うこと」である。

(2024/01/04)