未来への手がかり:ChatGTPの功罪(戦略策定と答案作成)


■試しに使ってみた

昨年来、ChatGTPを時々使ってみている。

まだテキストベースの生成AIではあるが、だんだん賢くなっている気がする。
当初は、平気で「うそ」をついていたが、それは、単に学習不足の子が知ったかぶりをしている程度のことだったのだろう。固有名詞に対しての所見は、素直に自信の学習した情報が古いことなどを理由に直接の回答はしなくなっている。

しかし、一般論としての所見はかなりまとまっており、直接ではないにしても必要な情報は列挙されるようになった。こうした、性能は「戦略策定」に有益かもしれない。

■ホテル開発という戦略

○星野リゾート、ニセコのホテル開業28年に延期  2年後に
2024年2月21日

星野リゾート(長野県軽井沢町)は21日、北海道のニセコにつくるホテル「星のやロッジ ニセコ(仮称)」の開業時期を2026年秋から28年に延期すると発表した。建設コスト上昇でデベロッパーによる着工が遅れているため。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC206FA0Q4A220C2000000/

もう少しいろいろな事情もあるようだが、こうした決定は「戦略」の枠組みの中で語られるのだろう。それはどんな戦略なのか。

経営企画部なりが戦略を策定する場面を想定してChatGTPに聞いてみた。少し長いが引用する。

●User
北海道のスキー場にホテルを建設したい。しかし、現在、人手不足と資材の高騰、また一時的なスキー客ブームでインバウンド客が急増している。こうしたインバウンド客は一時的なものである。ホテルのコンセプトは、非日常を楽しむ為のバカンスを楽しむというものである。適切なホテルの規模、施設、建設時期はどう考えれば良いか。その際に配慮すべきリスクは何か。

●ChatGPT
北海道のスキー場にホテルを建設する際には、以下の点を考慮する必要があります。

ホテルの規模と施設:

インバウンド客の急増に対応するために、比較的大規模なホテルが必要です。しかし、一時的なブームに頼りすぎず、長期的な需要も考慮して、中規模のホテルを検討することが重要です。
バカンスを楽しむための施設として、スパ、レストラン、バー、エンターテイメント施設(ライブミュージックやイベントスペースなど)、そしてスキーレンタルやシャトルサービスなどのスキーサービスも提供すると良いでしょう。
建設時期:

インバウンド客のブームは一時的なものであるため、需要のピークを正確に予測することが重要です。また、スキーシーズンに合わせて建設を行うことで、需要に対応しやすくなります。しかし、建設には時間がかかるため、需要の増加に対応できるように余裕を持った計画が必要です。
人手不足と資材の高騰への対策:

人手不足や資材の高騰はリスク要因です。建設に必要な労働力や資材の確保には、事前の計画とリソースの適切な配分が必要です。また、可能であれば地元の労働力や資材を活用し、供給チェーンのリスクを軽減することが重要です。
一時的なブームに対するリスク:

インバウンド客の急増は一時的なものである可能性があります。そのため、需要がピークを過ぎた後もホテルが持続可能であるよう、長期的なビジネスプランを策定する必要があります。また、多様な顧客層を想定し、シーズン外の需要や地元客の取り込みなど、安定した需要を確保する施策が必要です。
以上のポイントを考慮しながら、ニーズに合ったホテルのコンセプトや規模、施設、建設時期を検討し、リスクを最小限に抑えた計画を立てることが重要です。

 

●User
冬だけでなく夏場でも楽しめるホテルにしようとしたら何を優先すべきか。

●ChatGPT
夏場でも楽しめるホテルを建設する場合、以下の要素を優先することが重要です。

多目的施設の設計: ホテル内には、スキー客だけでなく、夏場のアウトドア愛好家や観光客向けの施設を組み込むことが重要です。例えば、ウォーターパーク、アウトドアアクティビティのためのスペース、トレイルへのアクセスなどが挙げられます。

自然環境への配慮: 北海道の美しい自然環境を活かし、環境保護やエコツーリズムを重視した施設設計を行うことが大切です。建物のデザインや運営方針を通じて、地元の生態系や景観を尊重し、保護する取り組みを行いましょう。

季節に応じたアクティビティ: 夏場には、ハイキング、サイクリング、釣り、キャンプなどのアウトドアアクティビティを提供することが求められます。施設周辺に自然を活かしたアクティビティや観光スポットがあるかどうかも重要です。

居心地の良い宿泊施設: 冬場の寒さに耐えるための設備はもちろん必要ですが、夏場も快適に過ごせるような室内設備やアメニティも提供することが重要です。例えば、エアコン、プール、温泉などが挙げられます。

食事や地域特産品の提供: 地元の食材や料理を提供するレストランやカフェを併設することで、地域の食文化を訪問者に紹介することができます。また、地元の特産品を販売するショップも設けると良いでしょう。

これらの要素を考慮し、冬場だけでなく夏場も楽しめるホテルを建設することで、年間を通じて観光客の需要に応えることができます。

(ここまで)

もちろん、このままレポートにしたら怒られるだろうが、何を検討すべきか、どんな情報を集めるべきか、そこから出てくる可能性は何かなどを考えるための指針にはなりうる。

もちろんこれで全てではないが、気になったことや、検討のモレヌケなどを区尽くには十分であろう。恐るべしと云ったところだろう。

■昇格試験への懸念

一方で懸念もある。コロナ渦で、企業の管理職登用の試験などはリモートで行なわざるを得ず、そのコスト的な優位性(集まらなくても良い)で今も続いているのではないだろうか。その時にいくら工夫しようが、横に優秀な家庭教師がいる状況を防ぐことはできない。

「新規事業の推進者として配慮すべきことはなにか。その優先順位と、その理由を述べよ」

●ChatGTP
新規事業の推進者として、以下の点を配慮することが重要です。これらは優先順位付けされており、その理由も含めて述べます。

市場調査と需要予測: 最初に市場調査を行い、スキー場や夏場の観光地としての需要を正確に把握することが不可欠です。需要の予測に基づいてビジネスモデルを構築することで、事業の持続性を確保できます。

資金調達と財務計画: ホテルの建設や運営には大きな資金が必要です。財務計画をしっかり立て、必要な資金を調達するための戦略を練ることが不可欠です。リスク評価や投資収益率の分析も含めて、資金計画を慎重に進めることが重要です。

地元コミュニティとの協力: ホテル建設や運営は地元のコミュニティとの良好な関係に依存しています。地元の自治体や住民との協力関係を築き、地域社会に貢献する取り組みを行うことが重要です。地元の文化や習慣に敬意を払い、彼らの関心やニーズに応えることが成功の鍵です。

法的規制と許認可: ホテル建設には様々な法的規制や許認可が必要です。建設地の地元自治体や関連する行政機関との連携を図り、適切な手続きを遵守することが不可欠です。法的なリスクを最小限に抑えることで、事業の安定性を確保できます。

人材確保と育成: スキー場や観光施設の運営には多くの人材が必要です。優秀なスタッフを確保し、適切なトレーニングやキャリアパスを提供することで、サービスの質を向上させることができます。人材不足やスキルの不足は事業の持続性に大きな影響を与えるため、人材戦略は重要なポイントです。

これらの要素を順次実行し、事業計画を着実に推進していくことで、新規事業の成功に向けて効果的に取り組むことができます。

(ここまで)

どうして、どうして。ここまで指摘してくれれば論文として体をなすものは作れそうだ。
こうしたことを知っているヒトと知らない人で差が出るとしたら、企業側はどうすれば良いのか。

(2024/02/24)